2012年06月23日

當間 麗 『アメリカン・ルーツ・ミュージックとロックンロール』

これは授業用テキストである。

 

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第1章 ブルース 〜南部黒人の魂の叫び〜 p. 5

第2章 カントリー・ミュージック 〜アメリカン・ノスタルジア〜  p. 37

第3章 ゴスペル・ミュージック 〜教会と音楽〜 p. 67

第4章 ロックンロール 〜ベビー・ブーマーたちの躍進〜 p.108


というページ構成。YouTubeサイトを並べながら、人気歌手やグループの活躍の足取りを追うことで、メディア時代のアメリカの民衆音楽史の足取りを辿るという授業の教材。全部で13節あるので、イントロと特別授業1回を入れて、半期15回の授業となる。著者が「はじめに」で書いているように、


アメリカ音楽に初めて出会った頃に抱いた、「ロックとロックンロールは違うのか」「R&Bとは何か」「カントリーと言ったり、カントリー&ウェスタンと言ったりするのは何故か」と言った素朴な疑問


にみずから答えるという姿勢があり、


アメリカでロックンロールが誕生する背景をルーツ・ミュージックに求めるプロセスは、アメリカ文化の多様性とその複雑な関係性を自ずと詳らかにし、音楽史を通してアメリカの素顔が見えてくる


というあたりは、音楽を含まないアメリカ史の講義をしている先生達をうらやましがらせることだろう。


上記4つの分野には、メチャうるさい評論家がいて、各章に並べられている初心者向けの言説には少なからず「こわいものしらず」な面も感じさせるけれども、これだけメディアが発達した時代に、基礎的な事実を何も教わっていない学生を導くという意味では、21世紀型大学教育の開発に少なからぬ意義を感じる企画である。


「重要な楽曲は囲み記事にして、現時点での YouTubeサイトを記した」――ということなら、同時に付属ネットサイトの拡充も図るといい。――と述べるからにはサトチョンも協力しよう。以下は「第三章」のリンク集だ。



第1節 ゴスペルの起源



1 新大陸と教会音楽


"The Ainsworth Psalter: No. 4"(エインズワース詩篇書:4番)

http://www.youtube.com/watch?v=6YDDO1Wc6FU


"Bay Psalm Book: No. 100"(ベイ詩篇書:100番)

http://www.youtube.com/watch?v=uFWFx5L5uQs

(教材掲載のものが見つからず、替えてあります。23番に続いて100番。)




2 ホワイト・ゴスペル


 Ira David Sankey: "The Ninety and NIne" 

Tennessee Ernie Ford が歌うバージョン:

http://www.youtube.com/watch?v=TwSaQIGGG3I



3 ニグロ・スピリチュアル


Fisk Jubilee Singers: "Swing Low, Sweet Chariot"

http://www.youtube.com/watch?v=NWnN5bd43J4


4 ブラック・ゴスペル




第2節 形成期のブラック・ゴスペル


1 シャウティング・プリーチャー


Rev. A. W. Nix: "The Black Diamond Express to Hell"

http://www.youtube.com/watch?v=xQbQeGKscOE


2 エヴァンジェリストたち


Blind Joe Taggart - The Storm Is Passing Over

http://www.youtube.com/watch?v=uxGYtHlhWDE


3 フォーク


Mitchell's Christian Singers - My Poor Mother Died a' Shouting

http://www.youtube.com/watch?v=weVLSKjifWo


Heavenly Gospel Singers: "The Heavenly Gospel Train."


http://www.youtube.com/watch?v=r5fSfhCFdKM


4 アカペラ・ジュビリー


同じ曲の聞き比べ

Norfolk Jazz & Jubilee Quartet-Didn't It Rain

http://www.youtube.com/watch?v=8ARKy3ABnks

The Golden Gate Quartet - Didn't It Rain - Gospel

http://www.youtube.com/watch?v=2tuqghW9tQc


Dixie Hummingbirds: "I've Got So Much to Shout About"

http://www.youtube.com/watch?v=Abkn2HPwEXg


Dixie Hummingbirds: "Hide Me in Thy Bosom"

http://www.youtube.com/watch?v=5FqFdHhfkdU




第3節 黄金期のブラック・ゴスペル



1 ハード・ゴスペル


"I Feel My Time Ain't Long" の聞き比べ

Blue Jay Singers

http://www.youtube.com/watch?v=bjiwDJwVOjs

The Soul Stiorrers

http://www.youtube.com/watch?v=TncGntw7ung


Sam Cooke & The Soul Stirrers - Touch the Hem of His Garment

http://www.youtube.com/watch?v=GFnF1yn6jfI


The Original Five Blind Boys: "I Know The Lord Will Make A Way" - "Somewhere Listening For My Name"

http://www.youtube.com/watch?v=634w2QfvOKk


2 トマス・A・ドーシーとモダン・ゴスペル


3 女性歌手たち


"These Are They!”の聞き比べ

Queen C. Anderson & The Brewster Singers / These are they !

http://www.youtube.com/watch?v=srzv996qqvw

Mahalia Jackson-These Are They

http://www.youtube.com/watch?v=fHFIUc4IRdQ


Marion Williams - Surely God Is Able

http://www.youtube.com/watch?v=21egDjVqG6I


"How I Got Over" (1950)- Clara Ward Singers

http://www.youtube.com/watch?v=yU-herUo23I


4 大聖歌隊


Alex Bradford

(*映像的にはこれがいいと思い、差し替えました。)

http://www.youtube.com/watch?v=3NG0T8YEh9g&feature=related


"Peace Be Still" 1962 Rev James Cleveland and The Angelic Choir Of Nutley NJ

http://www.youtube.com/watch?v=Og1HTnXotU8



第4節 ドゥーワップ

1 バーバーショップ・ミュージック


Ink Spots - If I Didn't Care

http://www.youtube.com/watch?v=rvwfLe6sLis


The Mills Brothers - Tiger Rag

http://www.youtube.com/watch?v=h-d4PlcAGb4


Till Then

http://www.youtube.com/watch?v=gPdidRreduM


2 最盛期のドゥーワップ


The Ravens-Summertime

http://www.youtube.com/watch?v=piVtpRkhJTA


Sonny Till and the Orioles - Crying in the Chapel

http://www.youtube.com/watch?v=Qe_tL7aVGE8


The Penguins-Cold Heart


http://www.youtube.com/watch?v=-kf5PuX6dCU


3 ロックンロールの出現とクロスオーバー・ヒット


The Coasters - Yakety Yak

http://www.youtube.com/watch?v=-cHB3Rbz1OI






本書の紹介は以上。この調子で、ブルース、カントリー、ロックンロールについて知ることができる。それを122ページの「本」という形態でやれたのは「先駆的」業績。


もっともYouTube を見ればこういうのが上がっているわけだ。21世紀、大学は、有用か。どのように?


The History of Gospel Music 01-09

http://www.youtube.com/watch?v=ckr54QUcdrs

http://www.youtube.com/watch?v=iEC7ojPuJuk&feature=related

http://www.youtube.com/watch?v=tUGCId_gc10&feature=relmfu

http://www.youtube.com/watch?v=MjgtgveRksQ&feature=related

http://www.youtube.com/watch?v=OcgvzfEjTak&feature=relmfu

http://www.youtube.com/watch?v=R9eyFypj05I&feature=relmfu

http://www.youtube.com/watch?v=EYtw67ohSAw&feature=relmfu

http://www.youtube.com/watch?v=X2zyPvv7V_s&feature=relmfu

http://www.youtube.com/watch?v=Ni5Mk0ANeiQ&feature=relmfu



History Of White Gospel 01-

http://www.youtube.com/watch?v=EBdMD19NvN8

and so forth


Thomas Dorsey

http://www.youtube.com/watch?v=jiRqsU-LRFQ&feature=relmfu


From "Too Close to Heaven: The History of Gospel Music".

http://www.youtube.com/watch?v=jv40KudGG08&feature=related


Biography of Sam Cooke 01-04

http://www.youtube.com/watch?v=J8Q8JuLj8vY

and so forth


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2012年06月12日

書き直そう、英語の文法

『English Journal』の連載「英語ができない病」(エイゴガデキナイビョー)の8月号と9月号の原稿を入れました。

ビョーキの症状として、こんな分裂した心のありようが観察されます。


             そと

   ウットリ              ↑ モノオジ

   憧れ(同化願望)   |   怖れと照れ(自己検閲)

おもて ←────────────────────→ うら

   ナニクソ                             |    テヤンデエ

    自負(征服願望)                 仲間外れ(異能の排除)

                   うち


  外(社会、ガイコク)向きの場合も、内向きの場合の、英語に対して積極的な〈おもて〉面の背後に、英語から引いたり英語を遠ざけたりする否定的な感情があるということを、上の図は示しています。

 まあ、どなたにもおなじみの話かもしれません。平成の時代でも、ふつうの心象風景ですね。


@ バイリンガルDJの声が流れるオシャレな空間でウットリしながら、

A ガイジンに道を教えるだけでモノオジし、

B ナニクソとTOEIC 900点突破にいきり立つくせに、

C キコク子女の口から流暢な発音が漏れたりするとテヤンデエという気持になる──


 この分裂が、日本人の近代体験と現代のイメージ資本主義の原理との噛み合いの悪さに由来するものだということを,僕なりに説明してみました。

 

 そして近代エリートたちが「ナニクソ」の意識で作り上げた、学校文法や学習参考書が、現代では根本的に弊害を呼ぶものになっている、

 にも関わらず、それ以外に、きちんと英語をしつけるための理解がこの国に欠けているために、「聞き流すだけで」というオカルト商法や、「英語で遊ぼう」という幼稚園化の流れによって、学習環境がどんどん劣化してしまう。


 そろそろ対策を考えないといけません。

 いままでの英文法、これは「優れている」と思われていた「西欧の論理」にナニクソとしがみついている日本人がつくった産物で、自信をもって日本語の思考を続けている日本人には、時代遅れの弊害が大きくなっている。

 ヨーロッパとアジアの力関係が拮抗または逆転した現在、単語とセンテンスを単位とする厳密な文法ではなく、日本語の構造のゆるさを自覚しながら、英語もあまりセンテンスにとらわれず、「句の連続」としてとらえ、それが連なるパターンをみていく「ゆるい生成文法」で説明していくことが、中学でより健康な学習が進展するための道である──


 と、まあ、かような提言を、サトチョンとしては行っていきたいわけでありますが、

 しかし……文法を書き直す……? わたくしが? うん、できそうかも。



 なお、現在出ている6月号に掲載されている拙稿のタイトルは「スッポンからスッポンポンへ」

 スッポンのように英語に吸着して日本語へかみ砕いていくやりかたをやめて、

 もっとスッポンポンなこころで英語とお出会いしませんか、という提言です。はい、相変わらずオバカです。

posted by ys at 07:06| 教え直そう、日本の英語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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