2013年の英語問題についてまず1点だけ。
◎一部に、おや、「梯子英語」が戻ってきたぞ、という印象が
「ハシゴ英語」と僕が呼ぶのは、「飲み歩く英語」ではなく(笑)、教室で学習途上者に差しだす、日本語と日本文化に足のついた英語です。屋根に登ってしまえばハシゴは不要になるけれども、途上者の役には立つ。学習者にやさしい「ハシゴ英語」を、試験問題に使うのは、だからメリットはあるんですね。でも、英語を飲み歩いている人間からすると、あれ? って思うところもあるんですな。
第2問A
問9 When my younger brother and I were children, my mother often asked me to keep an eye on him so he wouldn’t get lost.
誤答選択肢:away from, back from, in time with
これは children から純真な子供をイメージできればいいんですが、僕は一瞬、ワルガキの兄貴に、「弟の道を踏み誤らせるな」と懇願する母親をイメージしてしまいました。(そうすると、away from が正解になってしまいますね。)
問8 I don’t enjoy going to Tokyo. It’s hard for me to put up with all the crowds.
誤答選択肢:away, on, up to
英語としても問題としても問題ないですが、I don't enjoy と It's hard を逆にするともっと英語らしくなりませんかね。
It's hard for me to go to Tokyo now. I don't enjoy the crowds. みたいに?
問2 Of the seven people here now, one is from China, three are from the US, and the others from France.
誤答選択肢:other, others, the other
「文法項目の知識」を試すのには悪くないのですが、英語として一番自然な単語を選択肢に入れるのが学習促進的、というルールからすれば、the rest を正解になった方がいいと思いました。それと、文章というものは、どんなに短くても、ある程度状況が見える方がいいわけで、その点、ひと工夫あっていいかな、と。
Of the group of people who lined up in the hall, some were from China, others from the US, and the rest were all from France.
どうしてこの三国なのか、依然わかんないですけど。それ言い出すとジジイっぽくなるのでやめときましょう。いや、全体的には、ここ数年、とても洗練されてきていると思いますよ。