http://www.shinchosha.co.jp/book/537213/?select=free
こちらのURLからは、配線図のファイル自体が直接表示されます。
http://www.shinchosha.co.jp/book/images/537212/GRmapcolor.pdf
11月29日、青山ブックセンターで行いましたトークイベント「『重力の虹』の(楽しい)苦しみ方」で配布しました「『重力の虹』配線図」(A3ノビサイズ)は、近日中に新潮社側でネット公開すると連絡いただきました。
また、当日のお話し内容は、1月初旬に発売される文芸誌「新潮」に掲載の予定です。その誌面で配線図──登場人物と組織の相互関連を示すもの──の「改良版」も掲載されるとのことです。(小さくなりますが十分読めると聞きました)
なお、この「配線図」は「第三部まで」とお断りしています。というのも、第四部は、それまで整理されていたた関係を崩したり混線したりしながら進んでいくので、そこで進展する新しい繋がりはとりあえず排除した方がいいと思った次第。
当日『重力の虹』の攻略法として、第二部から読んでもいいのではないかと申し上げたことに関して付記します。
この小説は「線」ではなく多数の線が織りなす「面」としてあるので、ご自分の頭のなかに理解の「陣地」を拡げるつもりで読まれる方が実りが多いかもしれず、入門者は、筋が動き出す第二部(春)から始めると、入りやすい。そこから始めて、カラフルなファンタジーがぐんぐん拡がる第三部(夏)のスロースロップ章を読み進んでいくと、最初から楽しく引き込まれていくだろう、と。その後で、別方向をさぐっていく。点在するポインツマンとホワイト・ヴィジテーションの話、ブリツェロ、チチェーリン、エンツィアン、ペクラーの話と、相互の絡みに意識を拡げていく。
全体を一望するような理解は、結局得られないと思います。その意味で「配線図」は、最終的な「図解」ではなく、とりあえずの手掛かりにしかなりません。
スロースロップのエピソードが読者を惹きつける気持ちよさは、語りのどんな原理に依っているのか。──ルイス・キャロルのアリスの話と比較しながら、いま考えをまとめているところです。