ヤーマンズ・カフェというたまり場があるのだが、ここの主人が約束を忘れたらしく、開いていない。しょうがないから近所の駄菓子屋さんの店内に椅子を並べてビールを飲んだ。
Ya-man's Cafe
過疎商店街と、地方でシコシコ制作を続けるアーティストとを結びつけるのも、白川さんの「場所、群馬」の企画の一部。そこの駄菓子屋さんも仲間である。毛利さんは去年、授業の一環として芸大の学生を連れて、ここで「弁天通青年会」のみなさんと〈前橋弁天通映像祭〉を打ち上げた。今年もそれをやりたい、つきましてはご相談、という会なのだが、行ってみたら、群馬大学教育学部の新任の美術の先生(喜多村 徹雄さん)もいるし。あとからふらりと参加したのは、今は前橋美術館構想キュレーターの住友文彦さん(表象文化論出身/多方面で活躍中)、地元で活動中のアーティスト、ましもゆきさん。
全国の県庁所在地の中で群馬県前橋市は中心街の地価が、5年連続全国で一番安い。
テレビの「最下位脱出」感動のドキュメントの候補にもあがらない(よね?)
高崎の5倍ほどもあろうかという立派なアーケードを作ったぶん、翳りの見え方が強烈で、心ある前橋人の心の痛みもさぞかしと思われる。
映画館がなくなったのはいつだったか。(僕はこの街で人生最初の怪獣映画「地球防衛軍」を見たのだった……人生最初の七夕風情もここで味わった)
前橋美術館も、撤退を強いられた西武デパートの跡地に構想されている。
でも、でもでも、ジム・ジャームッシュのファンでなくても、みんな知ってるはずだ。「翳り」は買いである。没落は「快」である。日本一のシャッター・アーケードに、日本の感性を集結せよ−−ってな気分になりながら、僕たちはただ、みんなして、買ってきた缶ビールを飲んだのでした。
(焼きたての鮎も美味しかったよ。)